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QTスクリーン

細胞外アクションポテンシャル記録法による心筋QT値延長評価HTSシステム

Multi Channel Systems

  • 薬物による心電図のQT値延長は心室性不整脈発生のリスクの増加を示唆し、その可能性のあるコンパウンドは創薬開発の早期段階でハイスループットスクリーニング法により新薬候補から除外する必要があります。乳頭筋の細胞内活動電位記録法はその代表的な評価方法の1つですが、手技の難しさとスループットの低さにより、新薬開発スピードの制限要素となります。QTスクリーンは自発で拍動する心筋培養細胞に対し、細胞外電位記録法により活動電位を記録します。各ウェルの底に電極を組み込んだ特殊96ウェルプレートの採用により、数ある電気生理学的スクリーニングシステムの中でもそのスループットは最高の水準を誇ります。

    • 96ウェル同時のパラレルレコーディング
    • リキッドハンドラーによる薬液調整と投与の完全自動化
    • 各種パラメータの自動解析-QT値薬液濃度応答カーブetc.
    • 低ランニングコスト - 1データポイント約20~30円
  • QTスクリーン

細胞外活動電位との相関

  • 波形の解析はECGと良く似ており、Na+チャンネルの開放を示す急激な波形の立ち上がりや、心室の再分極を示す「T波」様の波形が観察されます
     
    QTスクリーンの特殊96ウェルプレート(QTウェルプレート)QTスクリーンの特殊96ウェルプレート(QTウェルプレート)
     
  • QTスクリーンの特殊96ウェルプレート(QTウェルプレート)は、各ウェルの底に記録電極とそれを取り囲むような形で参照電極が組み込まれています。浮遊細胞の状態に調整した心筋をウェルに分注して数日間培養すると自発で拍動を開始し、心筋がウェルの底に密着するので高いシグナルレベルの自発拍動電位の記録が行えます。QTスクリーンで得られる細胞外活動電位(フィールドポテンシャル)は細胞内アクションポテンシャルの構成要素の全てを反映します。波形の解析はECGと良く似ており、Na+チャンネルの開放を示す急激な波形の立ち上がりや、心室の再分極を示す「T波」様の波形が観察されます。QTウェルプレートによる細胞外電位記録の手法は、従来の電気生理学的アプローチのように細胞や電極の細かい位置設定や細胞膜を破る等の操作を必要としないため、大変優れたスループットを実現しています。

    仕様
    測定1回あたりの手作業の時間5分
    測定1サイクルの時間45分
    コンパウンド 数 / 1日あたり100
    データポイント数 / 1日あたり8000

ハードウェア

  • QTスクリーンのハードウェア
  • QTスクリーンのハードウェアは、多チャンネル細胞外電位記録システムとリキッドハンドラーシステムの2つのテクノロジーを融合させております。QTウェルプレートをセットするステージはプリアンプとメインアンプを内蔵しており、記録された信号を直ちに増幅するのでノイズの混入を最小限に抑えます。さらにヒーターを内蔵したステージには、フィードバック温度センサーがついていますのでプレートの温度を一定に保ちます。またガス還流用チャンバーでQTウェルプレート上部を覆いCO2/O2等の濃度を調整したエアーを流して細胞のコンディションを良好に保ちます。A/D変換ボードは96chを同時に最大25kHzのサンプリングレートで記録できるスペックを備えています。8連ピペットアーム式のリキッドハンドラーは、薬液調整用の96ウェルプレートで薬液の段階的希釈を行った後に、心筋細胞を培養したQTウェルプレートに調整済み薬液を分注します。1サイクル測定につき、8~10段階の濃度勾配にした8種類のコンパウンドを、最大n数12で記録可能です。

ソフトウェア

  • ソフトウェアは大きく分けて3つのインタフェースからなります。レコーディングのシーケンス設定エリア、生波形表示エリア、解析プロット表示エリアです。薬液希釈、薬液投与、電位記録、解析、またピペットの洗浄などすべてソフトウェアから制御します。オンラインで生波形の状態をチェックし、シグナルレベルの低いチャンネルへの薬液投与を自動的にキャンセルしますので、貴重なコンパウンドの無駄な消費を防ぎます。
    生波形はオシロスコープ型インタフェースで96ch同時にモニターします。各チャンネルからRR間隔、QT間隔、QTcなどのパラメータを抽出して解析プロットをオンライン描画し、解析結果のレポートをデータベース形式で自動保存します。TachycardiaやBradycardia等の不整脈の自動検出機能も備えています。

  • QTスクリーンのソフトウェア
適用例①「ニワトリ胚の心筋」

適用例①「ニワトリ胚の心筋」

近年、心血管系作用薬の薬理学的評価のモデルとして、ニワトリ胚が注目を集めています。特に催不整脈作用を有する薬物に対する心電図変化はヒトとの類似性が高く、分子生物学的アプローチにより孵卵13日目の胚にhERG相同チャンネルが多く発現することが確認され、報告されています。心電図のQT延長効果で知られる様々な薬物に対して、QTスクリーンのデータは従来の再分極アッセイ方法およびパッチクランプ試験による結果と一致しました。hERGを単独で発現させたアッセイ法ではVerapamilは偽陽性を示しますが、心筋そのものを測定対象とするQTスクリーンによる試験結果では延長効果を示さず、in vivoの結果と一致します。このように偽陽性・偽陰性のリスクが少ないのもQTスクリーンの特徴です。

Quinidineによる再分極T波のシフト

Quinidineによる再分極T波のシフト

Quinidineによる脱分極(Na流入)ピーク抑制

Quinidineによる脱分極(Na流入)ピーク抑制

QT延長薬物の各濃度でのQT値延長の度合

QT延長薬物の各濃度でのQT値延長の度合

  • 適用例②「HL-1セルライン」

    適用例②「HL-1セルライン」

    動物を使わない方法として、マウス由来のHL-1セルラインを用いることが可能です。HL-1は経代培養が可能な唯一の哺乳類心筋セルラインで、QTウェルプレート上での培養が容易です。分注後30時間で拍動を開始し、その後約7日間に渡りシグナルを記録できます。

    Quinidineによる再分極T波のシフト

    Quinidineによる再分極T波のシフト

    Quinidineの各濃度でのQT値延長の度合い

    Quinidineの各濃度でのQT値延長の度合い

  • 仕様
    ロボット部分サイズ(W×D×H)559×615×515mm
    重量約30kg
    供給電圧110VAC
    アンプ部分ゲイン×1200
    バンド幅Highpass 4Hz、Lowpass 3kHz
    信号入力電圧±0~4mV
    入力インピーダンス1011Ω
    入力ノイズ<800nVrms
    動作電圧±6~9VDC
    ステージヒーター温度範囲室温~50℃
    分解能0.1℃
    A/Dボード入力チャンネル数96ch
    サンプリングレート最大25kHz/ch
    QTウェルプレート還流チャンネル数100μm
    フローレート約30kΩ
    ソフトウェア動作OSWindowsXP / 2000
    型式品名
    QTS-SystemQTスクリーンシステム
    96WQTQTウェルプレート
    (※オプションで刺激電極入りも用意可能です)